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皆さんは「骨折」、したことありますか?
まぁ、バイクに乗ってれば骨の一本や二本くらい折っててあたりまえ、なんてさも自慢げに語るオヤジが必ずいますよね‥‥‥あ、オレか???
でも、こんな僕も、40歳になるまで本格的な骨折って一度もしてなかったんですよ(ヒビ程度は何度かやってたけど)。
そう、それは忘れもしない1996年8月4日のこと。僕は北海道夕張市の「マウントレースイスキー場」で開催された全日本選手権トライアル大会に出場していて、左手尺骨を骨折した。
尺骨とは、前腕部に二本ある骨の外側の方。1.5m程の岩を登りそこねて横に落ちた時、ハンドルを握った左手が地面から突き出た石に激突。その瞬間「パキッ」といい音がしたので、「あ、折れちゃった!」と思った。
それまで僕の頭の中では、骨折するって事はそれはもう大変な重傷で、すごく痛いんだろうなぁ、っていうイメージがあったんだけど、いざ実際に骨折してみると「こんなもんなの?」って感じだった。いや、もちろん痛いことは痛いんだけど、思ってたほどの痛さじゃなかったってこと。
こういうケガした時って、痛みを感じなくする"β−エンドルフィン"とかいう体内物質が瞬間的に大量分泌されるって話を聞いたことがあるけど、そのせいもあるのだろうか?あと、僕は小学生の頃毎年のようにどこかに「縫い傷」を作っていた「ケガ常習犯」だったので、痛みに強い、っつーか痛みを感じる機能がマヒしてる(リミッター効きっぱなし状態)可能性もあるけど。まぁ簡単に言っちまえば「鈍感」ってことなんだけどね。
で、僕は基本的に他人の手を借りるのがイヤな性格なので、この時も自分一人で倒れたマシンを起こし、セクションの外に移動したのだけど、左腕に力を入れると今までに経験したことがない種類の激痛が走るので「こりゃ〜間違いなく折れてるよ」と確信した。
当然競技続行は不可能なので、そのまま右手一本でマシンを走らせ大会本部へ向かう。そして本部のテント前にマシンで乗りつけ、「腕を骨折しちゃったんでリタイアします」と自己申告。自分でも不思議なくらい冷静である。
面白かったのが、このあとの大会役員さんのリアクション。一瞬の間があった後、ちょっとバカにしたような苦笑いを浮かべながら「じゃ、あそこにドクターがいるから、いちおう診てもらって」だって。その態度ときたら、もう心の中で「チッ、見たところ大したケガじゃなさそうなのにオーバーな奴だ。どーせただの打撲だろ?」って思ってるのが見え見えなんだもの。
しかしさすがはドクター。僕の左腕を見るなり「あぁ、これはイッてるね!」と一言。思わず僕は「でしょー!」と言ってしまった。まったく変なケガ人だよなぁ。
で、これを聞いたさっきの役員さん、急に顔つき変わっちゃってオロオロしながら「こっ、こりゃ大変だ、誰か病院つれてってあげて!」だって。きっといい人なんだよね。その節はご迷惑をおかけしました。
そして近くの「夕張市立総合病院」へ行ってレントゲン撮影。できあがった写真を見るなり先生はこう言った。
「おお、こりゃ〜見事に折れてますな。こんなにハッキリと折れてるのを見たのは久しぶりだよ。」
―――いかにものんびりとした田舎の診療所的雰囲気まる出しのコメントではあるが、おっしゃる通り。僕の左手尺骨は真ん中(少し手首寄り)の所でポッキリと折れ、その折れ口が1cm位ズレた状態になっていたのだ―――。
↑これがその時、「夕張市立総合病院」で撮ってそのままもらってきたレントゲン写真。
M整形外科で撮ってもらったレントゲンは山のようにあるけど、もらうことできないのでアップできません。
そのうち盗んででも載せたいと思っていますが‥‥‥。
※これで終わりではありません。
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