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Man-B's History 
Man-Bの入院日記

- Man-B's History -

 Man-B(マンビー)、それは万年B級の略
'80年代後半から'90年代前半にかけての全日本選手権トライ
アルにおいて、毎年のようにあと少しのところで国際A級昇格を
逃していた私(TWK店主・小坂政弘)のことを、人はそう呼んだ
(・・・っていうか、自嘲を込めて自らそう名乗っていたかも?)。
このページは、そんな「バイク馬鹿」な一人の男の生きざまを
綴った履歴書である―――なんちゃって!?
初めてのバイク・ハスラー250と16歳(童貞)の私

1987年5月3日 全日本第4戦中部大会(土砂降りの雨)4位入賞の陰にあったドラマ
1987年、この年はゼッケン15番をつけ全日本を戦うことになったが、TYRにもようやく慣れ、一時の低迷から抜け出しつつあったものの第1戦7位、第2戦15位、第3戦ノーポイントとなかなか上位に食い込めないでいた。

そして迎えた第4戦当日、会場の享成自動車学校トライアル場(愛知県)は朝から土砂降りの雨に見舞われ、粘土質の土のセクションはたちまち泥地獄と化し、バタバタの3点でセクションを走り抜けることさえ困難なサバイバルゲームの様相を呈していた。

15セクション3ラップで争われる大会の1ラップ目、私の減点は2点が一つ、3点が三つの他はすべて5点の66点。しかしセクションの状況を考えるとこれは上出来、特に第2セクションでまだ比較的荒れていないラインを慎重なアクセルワークで2点で走り抜けたのが光っていた。

これは上位にいる、という手ごたえを実感しながら2ラップ目をこなしている途中で、1ラップ目の順位が放送で流される。1位は減点65、そして私は1点差で2位につけていた。
「いける!」そう思ったものの、容赦なく降り続く雨はセクションをますます走行困難なものにしていた。1ラップ目2点で抜けられた第2セクションも2ラップ目はセクション全体が泥沼状態に変わり、誰も5点以外で抜けられなくなっていた。

15セクションあるうち、バタバタの3点で抜けられる可能性があるのは3〜4セクション。私の2ラップ目の減点は71。3が2個であとはすべて5だ。他の選手も似たようなものだった。このままでは1位に追いつかない。

そして3ラップ目の第4セクション。ここは会場の中で唯一沢のセクションで、泥沼化は免れているものの、沢自体が狭く1ヶ所鋭角的に曲がっている部分があり、やはり3点以外で抜けることは不可能に思えたが、よく下見していると沢の脇の急斜面を登れば後は直線的で楽なラインが見えた。しかし、沢の中で横を向けて助走がない状態で脇に登る部分がかなり難しく、5点になってしまう可能性がかなり高い。だが、その部分をうまくクリアできればクリーンまたは1点で抜けられる可能性が、わずかだがあった。

沢伝いに走れば、3点よりいい点は不可能だが5点を取る可能性は低い。1ラップ、2ラップ目ともに私は危なげなく3点で抜けている。

手がたく行くなら、沢伝いで確実に3点狙いだろう。だが、それでは絶対に1位の選手に追いつかない。けれど、脇のラインで一発クリーンを狙って失敗すれば、今日の点差がつかない状況では順位がガタ落ちだ。どうする?私は迷った。

結論を出せないままセクションイン待ちの列に並び、私はじっくり考えた。そして、可能性はわずかしかないクリーン狙いで行くことに決めた。失敗して順位を大きく落としてしまっても絶対に後悔しないと自分自身に約束して‥‥‥。

この写真は、その沢の脇を登れずに5点になった後、セクション出口に向かう私をトライアルジャーナリストの“フジシュー”藤田秀二氏が撮ったもの。どうですか、悔いのないさわやかな笑顔してるでしょ?

結局私は3ラップ目オール5点、総減点は212(!)で、4位という成績でこの大会を終えた。後日発売されたトライアル専門誌のレポートには、私の小さな写真と「この日は第2セクションの2点がすべてですよね、小林さん」(←名前間違ってるし!)というコメントが載せられていた。

私の中ではあれだけのドラマがあった末の結果が、こんな一言で片付けられてしまう‥‥‥。
「雑誌なんてそんなものさ」ということを思い知らされたエピソードの一つです。(写真:藤田秀二氏)

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